小学6年と中学3年を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が24日、一斉に始まった。今年は抽出ではなく、4年ぶりの全員参加で、国公私立計3万962校、約228万7千人が参加。昨年度は理科が初めて実施されたが、今回は従来の国語と算数・数学。
平成19年度から全員参加で実施されたが、民主党政権が22年度から3割の学校を抽出する方式に変更。ただ、数年ごとに全員参加と見直し、今年が該当していた。政権復帰した自民党の方針で、来年度以降も全員参加で行われる見通し。
文科省が成績を集計し、夏に都道府県別の平均正答率を公表。市町村別や学校別も集計するが、各教育委員会が個別の学校名を公表することは禁じている。
来月以降、保護者約5万人を抽出して年収などを尋ねるアンケートを取り、家計と学力の関係を調べる。
[産經新聞 2013年4月24日]
文部科学省は30日、2012年度から使用される中学教科書の検定結果を発表した。
昨年検定の小学教科書に続き、「ゆとり」への反省から学習内容を充実させた新学習指導要領に基づいており、現行(06年度供給)と比べて全体の平均ページ数が25%、数学では33%、理科では45%増えた。社会では地理、公民の教科書ほぼ全てが竹島問題に触れるなど領土に関する記述が充実した。理科では「イオン」や「放射線」が復活した。東日本巨大地震については来春までに加筆されると見られる。
検定合格は9教科計105点。中学教科書は、指導要領が「ゆとり」のピークだった00年度検定(02年度供給)で小学教科書とともに学習内容を大幅に削減したが、要領を超えた「発展」が登場した04年度検定(06年度同)で増やされ、今回で「ゆとり」から完全に決別した。全教科でページ数が増え、00年検定時と比べると理科では78%、数学も63%も増えた。
国語では、30年ぶりに常用漢字表が改定されたことを受け、「鬱(うつ)」など追加漢字196字が一覧表で掲載された教科書もあった。
[読売新聞 2011年3月30日]
文部科学省は30日、09年度の教科書検定結果を公表した。主な対象は小学校で11年度から使われる教科書。学力低下批判を踏まえて授業時間を増やし、「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領に対応する初めての教科書で、全教科の平均ページ数(B5換算)は6年分で計6079ページと、「ゆとり」を強調した以前の教科書(02〜04年度使用)と比べると42.8%(1821ページ)増えている。
特に理科は67.3%、算数は67.0%も増えた。指導要領の範囲を超える「発展的な内容」の記載が認められた現行教科書(05年度から使用)と比べても、理科は36.7%、算数は33.2%の増。全体では24.5%(1198ページ)増だった。
算数の反比例や文字式(6年)、理科の食物連鎖(同)など、過去の指導要領改定で削減された学習内容が多数復活。国語は中学年で短歌や俳句、高学年で古文・漢文を学ぶことになる。改正教育基本法を踏まえて、日本の伝統文化に関する記述も拡充された。
また、本来は中学の指導内容の一次方程式の問題を扱う算数教科書も登場。上の学年で習う漢字のルビ付き表記が増えている。
今回申請があったのは小学校が9教科280冊で、すべて合格。検定意見は5551件付き、前回検定(03年度)より2810件も多かった。現行の指導要領に対応した高校教科書も2教科5冊の申請があり、すべて合格した。
[毎日新聞 2010年3月30日]