小中の授業時間増など答申=次期指導要領、ゆとり転換−中教審

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は17日、小中学校の授業時間数を1割程度増やすことなどを柱とした次期学習指導要領についての最終答申を、渡海紀三朗文部科学相に提出した。1980年度以降、減少を続けた授業時間は約30年ぶりに増加へ転じ、ゆとり教育からの路線転換が図られる。
 文科省は、小中については2月中旬までに、学年ごとの具体的な学習内容や時間配分などを盛り込んだ改定案をまとめる。1カ月間の意見募集を経て3月末までに新指導要領を告示する。高校は今年中に告示、2009年度から一部を前倒し実施し、11年度から完全導入する。
 答申は、昨年10月に公表した「審議のまとめ」とほぼ同じ内容。学習内容を3割削減し、授業時間を短縮した現行指導要領の反省に立ち、基礎知識の定着と活用を図るため、時間数増が必要と強調した。
 その上で、国語や算数・数学など主要教科の授業時間数を小学校で301時間、中学校で360時間増やすとした。授業時間は小学校1、2年で週2時間、3年以降と中学で週1時間増える。

[時事通信]