中学教科書検定、平均ページ数25%増

 文部科学省は30日、2012年度から使用される中学教科書の検定結果を発表した。
 昨年検定の小学教科書に続き、「ゆとり」への反省から学習内容を充実させた新学習指導要領に基づいており、現行(06年度供給)と比べて全体の平均ページ数が25%、数学では33%、理科では45%増えた。社会では地理、公民の教科書ほぼ全てが竹島問題に触れるなど領土に関する記述が充実した。理科では「イオン」や「放射線」が復活した。東日本巨大地震については来春までに加筆されると見られる。
 検定合格は9教科計105点。中学教科書は、指導要領が「ゆとり」のピークだった00年度検定(02年度供給)で小学教科書とともに学習内容を大幅に削減したが、要領を超えた「発展」が登場した04年度検定(06年度同)で増やされ、今回で「ゆとり」から完全に決別した。全教科でページ数が増え、00年検定時と比べると理科では78%、数学も63%も増えた。
 国語では、30年ぶりに常用漢字表が改定されたことを受け、「鬱(うつ)」など追加漢字196字が一覧表で掲載された教科書もあった。

[読売新聞 2011年3月30日]