都教育委員会は26日、公立小中学校で今年1月に実施した07年度学力テストの結果を発表した。今回から、小5と中2の全員を対象にするのは各教科で学んだことを日常生活で活用できる力を問う「問題解決能力等に関する調査」だけとなった。特に中学生で「見通す力」の正答率が極端に低くなる課題が浮き彫りにされた。
全員参加型のテストの受験者は、小学生が8万9256人(受験率約97%)で、中学生が6万7342人(同約92%)。都全体の平均正答率は小学生が59・8%、中学生が56・3%。区市別の平均正答率の最高は、小学生が武蔵野市の66・9%、中学生が千代田区の62・9%。最低は小学生が羽村市の51・9%、中学生が武蔵村山市の51%だった。
評価の観点別の平均正答率を見ると、中学生の「見通す力」が16・6%にとどまった。出題されたのは、料金設定の異なる3カ所の駐車場の中から家族旅行で利用した最も安い時間帯を答える問題で、都教委は報告書で「題意を読み取り、情報を分かりやすく整理する力を育てることが重要」と指摘した。
今回初めて実施した抽出校と希望校が対象のテストは、小4で2万3960人(実施率約26%)、中1で2万80人(同約26%)が参加。都全体の平均正答率は小学生が国語84・8%、算数77・2%、中学生が国語82・6%、算数73・6%、数学75%だった。都教委は基礎学力の定着状況について「全体的におおむね良好」と分析している。【木村健二】
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◇区市別の07年度学力テストの結果◇
小学校 中学校
都全体 59.8 56.3
千代田区 66.2 62.9
中央区 65.9 57.6
港区 64.8 58.1
新宿区 62.2 57.6
文京区 65.6 59.3
台東区 60.8 52.9
墨田区 56.7 53.2
江東区 59.0 56.6
品川区 61.6 56.2
目黒区 65.5 59.7
大田区 60.0 54.9
世田谷区 64.5 58.7
渋谷区 62.0 57.8
中野区 61.6 57.6
杉並区 64.0 60.6
豊島区 61.3 57.6
北区 58.0 55.1
荒川区 57.7 54.2
板橋区 59.1 54.8
練馬区 61.8 58.8
足立区 55.0 52.3
葛飾区 57.7 52.7
江戸川区 56.4 52.8
八王子市 56.9 55.6
立川市 57.8 54.9
武蔵野市 66.9 60.4
三鷹市 62.9 57.4
青梅市 53.9 53.7
府中市 61.3 58.0
昭島市 55.5 54.5
調布市 62.0 56.4
町田市 59.2 56.6
小金井市 66.0 61.0
小平市 61.2 59.2
日野市 61.8 56.9
東村山市 59.9 57.3
国分寺市 62.8 62.7
国立市 63.9 60.2
福生市 55.0 51.5
狛江市 59.8 56.8
東大和市 55.4 51.6
清瀬市 57.0 54.2
東久留米市 57.7 57.4
武蔵村山市 59.4 51.0
多摩市 60.7 58.7
稲城市 61.5 57.7
羽村市 51.9 55.2
あきる野市 55.1 54.0
西東京市 60.8 58.4
※町村は公表の対象外。小学校、中学校とも 「問題解決能力等に関する調査」の平均正答率
〔都内版〕
毎日新聞6月27日朝刊