東京都立大森高校(大田区、山崎広道校長)で、髪を染めた生徒に、元に戻すよう注意しても、従わない場合には、授業への出席を認めていなかったことが9日、分かった。
生徒の意思で授業に出ても、書類上は「欠席扱い」にしていた。都教育庁は「生徒指導としては、明らかにやり過ぎ」として、同日、同校に対し、是正を指導した。
読売新聞の取材に対し、山崎校長は、同庁の指導を受けて、授業を受けさせない措置を9日で中止したことを明らかにしたうえで、「一部の生徒は繰り返しの指導にも全く従わなかったので、授業を受けさせず、出席しても『欠席扱い』に踏み切った。今思うと、行き過ぎだった」と語った。
関係者によると、授業を受けさせない措置は5月中旬に始まり、1-3年の男女計10人前後の生徒が対象になった。髪の色は、金色から淡い茶色まで様々だった。指導に従った生徒もいたが、ほとんど授業に出られなかった生徒も。学校側への反発から、自ら退学した生徒もいるという。
同校の実情について、複数の学校関係者は「都立高の中では、生活態度に問題のある生徒が比較的多い」と指摘。学校側は昨秋、茶髪などに対して指導に乗り出す方針を決定。校則に髪の色に関する規定はないが、5月中旬には、黒髪のマネキンを生徒に示して、頭髪の「基準」を設定、校門前で、登校してくる生徒たちの頭髪検査を始めた。
この検査で「基準」に反していると、帰宅させ、髪を元の色に戻してくるよう指導した。
同庁では「茶髪をなくすための指導方法はほかにもあるはず。学業が本分の生徒から授業を取り上げるのは言語道断」としている。
[読売新聞]