<教科書検定>ページ4割増「脱ゆとり」対応

 文部科学省は30日、09年度の教科書検定結果を公表した。主な対象は小学校で11年度から使われる教科書。学力低下批判を踏まえて授業時間を増やし、「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領に対応する初めての教科書で、全教科の平均ページ数(B5換算)は6年分で計6079ページと、「ゆとり」を強調した以前の教科書(02〜04年度使用)と比べると42.8%(1821ページ)増えている。

 特に理科は67.3%、算数は67.0%も増えた。指導要領の範囲を超える「発展的な内容」の記載が認められた現行教科書(05年度から使用)と比べても、理科は36.7%、算数は33.2%の増。全体では24.5%(1198ページ)増だった。

 算数の反比例や文字式(6年)、理科の食物連鎖(同)など、過去の指導要領改定で削減された学習内容が多数復活。国語は中学年で短歌や俳句、高学年で古文・漢文を学ぶことになる。改正教育基本法を踏まえて、日本の伝統文化に関する記述も拡充された。

 また、本来は中学の指導内容の一次方程式の問題を扱う算数教科書も登場。上の学年で習う漢字のルビ付き表記が増えている。

 今回申請があったのは小学校が9教科280冊で、すべて合格。検定意見は5551件付き、前回検定(03年度)より2810件も多かった。現行の指導要領に対応した高校教科書も2教科5冊の申請があり、すべて合格した。

[毎日新聞 2010年3月30日]